発売日: 1996年8月9日
販売: ソネット・コンピュータエンタテイメント
機種: セガサターン
ジャンル: アドベンチャー
価格: 6800円
製品番号: T-20204G
素人くさい崩れたグラフィック、あまりにもクドイ言い回しのテキスト、適当としか思えないシナリオ分岐、説明不足で唐突すぎるストーリー、そのくせ豪華な声優陣。あれなゲームとして突き抜けているため、愛好家も少なくない伝説のアドベンチャーゲーム。いわゆる「愛すべきクソゲー」の部類です。18歳以上推奨で、結構エグイ描写もある。主題歌は原田真二が歌ってるのだが、氷上恭子ボーカルバージョンのシングルCDが同梱されてました。
オープニング&エンディング動画
ストーリーダイジェスト
このゲームは一応マルチシナリオですが、ここでは「悪魔召喚篇」のストーリーを追っていきます。緑色の太字の部分が選択肢の部分で、この通りにプレイすればこのシナリオになります。
超常現象がどうたらこうたらと長いナレーションからスタートです。女性が歩いていて、その目の前で女子高生がいきなり発火し黒焦げに。のっけから結構エグイです。
この男の名は十六夜慎哉(いざよいしんや)。どこにでもいる普通の高校生ってわけではなさそうだ。制服に着替え、銀の指輪をはめ
「おはよう、セクンダディ」
と挨拶すると、その指輪が話し出す。
「今日も元気そうだな、慎哉」
画面の外にいる俺の戸惑いを他所に、何で指輪がしゃべるかの説明もないままストーリーは進んでいく……
写真立てに一緒に写っている少女は水凪舞璃亜(みずなぎまりあ)。
「それにしても、舞璃亜のいない朝ってのがこんなに静かで平和なんて・・・」
と呟きながらドアを開けると、そこに舞璃亜が立っていた。舞璃亜が怒って行ってしまったので、ここは舞璃亜のご機嫌を取るべきだと思い、急いで舞璃亜の後を追っていきなり抱きついた。騒ぎ出す舞璃亜だったが、舞璃亜の胸に顔をうずめて、柔らかい感触を楽しむ慎哉。思いっきり平手で殴られる。
「慎哉のバカー!!」
と叫んで舞璃亜は行ってしまいました。
慌てて追いかけ謝るも、そんなに怒ってないと言って、舞璃亜は慎哉の汗をハンカチで拭いてあげる。その後、リムジンで登校する超セレブな女子高生・宮条麗美香、あわてん坊な天然娘・姫川藍が登場。藍は転んで膝をすりむいてしまいましたが、舞璃亜がそこに手をかざすと治ってしまいました。唐突だが勿論何の説明もない。画面の外の俺は完全に置いてけぼり(苦笑)。続いてメガネをかけたインテリ風男子・常盤俊英が登場。「としひで」ではなく「しゅんえい」と読む。それにしても登場人物はどいつもこいつも名前がくどい。麗美香が例の焼身自殺について話を切り出した。どうやらあれはうちの学校で起きたらしく、今のところ身元も判明していないらしい。
学校からチャイムが聞こえ、走り出す5人。武道をやっている舞璃亜以外は息切れ状態。校門まで来て、ここからは歩こうと提案する慎哉の目に飛び込んだのは、再び走り出す舞璃亜の姿だった。すると校門で苦しそうにしゃがみ込んでいる女生徒を発見。同じクラスの設楽奈美だった。放っておくわけにもいかず、奈美を保健室に連れて行く事にした。舞璃亜から聞いた話によれば、奈美は両親が離婚して以来内にこもってしまったのだとか。
保健の先生は雛形美樹。慎哉は「美樹ちゃん」と気安く呼んでいる。他にもベッドで寝ている生徒がたくさんいるのだが、みんな奈美と同じ症状みたいです。薬が効いて奈美が眠ったのを確認し、保健室を出ようとすると男がいきなり飛び込んできた。奈美の彼氏の準だった。柔道部の主将らしい。保健室を出るともうすぐ1時限目の始まる時間だったので、走って教室に向かうことにした。すると、廊下に久住英司がいた。いかにもな見た目のナルシストで、窓ガラスに映った自分に見とれていた。英司を無視して教室に入ろうとすると、今度は水無月冴子が出てきた。こいつも財閥の令嬢だが、麗美香と違ってステレオタイプな高飛車成金お嬢様といった感じ。
教室は例の焼死体事件の話で騒がしかった。慎哉は目の前の女子生徒の話に耳を傾けた。好き勝手なことを話している。今度は小室拓也が話しかけてきた。周りに女子生徒を引き連れるモテモテ野郎。登場人物がどいつもこいつも安っぽすぎだ。物理の小槻先生が入ってきた。勿論、超常現象を否定する頑固者です(今の若者にはこのネタはわかるまい)。1時間目の授業が終わると、その後、2時間目、3時間目、4時間目の授業が進み、昼休みを挟んで5時間目の授業が終わり6時間目の授業が始まった。ゲーム史に残る名テキストいただきました。6時間目は担任でもある英語の嶺子先生の授業です。嶺子先生の後ろ姿に目が留まり、キラキラと輝くサラサラの髪に目を移した。先生の髪を見るか尻を見るかでストーリーが分岐www
舞璃亜に促されて校庭を見ると、木の下で女の子が複数のヤンキー風女生徒に囲まれていじめられていた。彼女は、舞璃亜の小学校時代のクラスメイトの桜木魅砂。体が弱いため一年休学し、今は一つ下の学年のようです。昔からよくいじめられていた。授業が終わると同時に舞璃亜は現場へと駆けつけた。慎哉が近づくと、言い争っていたヤンキーは立ち去った。魅砂の額には三日月形の傷が付いていた。心配する舞璃亜だが、魅砂は大丈夫だと言う。一ヶ月前に自殺した女の子も、さっきのヤンキーたちが関わっていたので、舞璃亜は不安だった。
「ありがとう舞璃亜ちゃん心配してくれて。でも、もう大丈夫なの、もう・・・」
それでも魅砂は取り合わず、その場を立ち去ってしまいました。その瞬間、魅砂の残留思念に取り付かれ、不快な感覚を覚えた慎哉は、あの子に関して何か良くないことが起きそうだと直感するのだった。もちろんこの能力についての説明もないが、もう深く考えるのはやめた。
俊英と遭遇。旧校舎で隕石探しをしようとしているらしいが、鍵が閉まっていて入れないようだ。魅砂と同じ学年なので、彼女について聞いてみると、クラスでは仲良くやっているが、ヤンキーにはちょくちょくいじめられているという。情報提供のかたに隕石探しを手伝うはめになった。俊英は準備をしに行くといって教室へ戻っていった。と、そこへ麗美香が登場。嶺子先生が呼んでいるらしい。進路相談の件で話があるという先生との約束をすっかり忘れていましたが、今更なのですっぽかしてしまうことにした。
俊英が戻ってきた。藍が一緒でした。俊英に魅砂が教室にまだいるのか聞いてみると、瀧内と高村が魅砂を迎えに来ていたという。さっきのヤンキーの名前らしい。隕石探索は後回しにして、五人で魅砂を探すこととなった。外に魅砂の姿はなく校内へ。そこで保健の美樹先生に呼び止められる。嶺子先生と待ち合わせしているのだが、嶺子先生の姿が見えないのだという。俊英の教室にまで行ってみたが、やはり魅砂はいなかったが、魅砂の鞄はまだ教室に置いてあった。まだ帰宅はしてはいないようだ。
旧校舎に人影があるのを麗美香が発見する。旧校舎へと急行。さっきは閉まっていた鍵が開いていた。中へ入ると扉が閉まるという定番トラップが作動。当然開きません。俊英によると、この旧校舎の地下にはカタコンベがあるという噂があるのだという。初代理事長が海外から遺体を運んできて埋めたのだとか。その時、職員室の方から物音が鳴ったので行ってみることに。真っ暗な部屋を探索していたら、舞璃亜がプレゼントしたという魅砂のキーホルダーが落ちていた。麗美香が床に手をかざして調べている。この真下に空洞があるらしい。この五人がエスパー仲間らしいことにようやく気づく画面外の俺……。麗美香が指摘した場所に隠し通路があった。当然潜入です。しばらく地下通路を進んでいくと、道が二つに分岐していました。
「右の通路だ!!」
俺はさも、この道を熟知しているかのような態度で右側の通路を選んだ。
奥へと進むと二つの棺に挟まれた「ひつ」があった。地面にはできたばかりの足跡もある。ひつには、短剣らしきものが収めてあった溝が。俊英曰く、悪魔召還に使う短剣らしいと。どうも、魅砂は悪魔を召還していじめっ子に復讐をしようとしているらしい。「魔太郎がくる」を髣髴とさせる展開です。先に進むと学校の裏の公園に抜けた。慎哉たちは、儀式が行われるであろう学校の中で最も霊力の高い場所・礼拝堂へと向かった。中に誰かがいるようだが、鍵が掛かっていて入れない。セクンダディによれば、鍵ではなく魔力によって扉が封印されているのだという。そして、月の光が封印の鍵になっているのだと。
俊英が銃で黒い塊を撃つと、それがパッと開いて一瞬月の光を遮った。その瞬間にセクンダディを鍵穴に近付けると、鍵は見事に開きました。そんなことしなくても、鍵穴の前に誰かが立って月の光を遮ればいいだけの話ではないのかと突っ込みたくもなりますが、きっとあれは特殊な布だったのだろう。中に入ると血の匂いが漂っていて、魅砂が鳴咽を漏らしている。床には巨大な魔法陣が光っており、その周囲に数人の惨殺死体が。その中にはあのいじめっ子達はいなかった。
舞璃亜に促されて祭壇を見ると、そこには下着姿の嶺子先生がうつろな目で椅子に座っている。何かの術にかけられている模様。近づこうとしても魔法陣の力で跳ね返されてしまう。と、そこで礼拝堂の明かりが灯った。
そして、嶺子先生の横で魅砂が高笑い。
「あっーはっはっは。だから言ったでしょう。私はもう大丈夫だって。まったくお節介な人たちね。」
「魅砂、あんたって子は!」
舞璃亜が祭壇に駆け上がり魅砂に回し蹴りをかましますが、あっさりと交わされ、逆に腹部に思いっきり蹴りを入れられてしまった。
嶺子先生の座っている椅子が魔法陣に移動した。そして魅砂が召還呪文を唱え出す。セクンダディに相談すると、魅砂はルシファーを召還しようとしているようです。しかし、そんなものを召還すれば、魅砂の体は粉々に砕け散るだろうと。セクンダディに言われた通り、慎哉は麗美香に全員を近づけ結界を張らせる。そしてセクンダディの力を解放した。指輪だったセクンダディが刀剣の柄に変化。しかし、魅砂はいじめっ子二人に命令して邪魔をさせる。生身の人間相手では乱暴なこともできず魔法陣に近づくこともできない。そこで舞璃亜が十字架に祈りを込めて、旧約聖書「ヤコブの手紙」第二章、第六節の朗読を始めた。すると、二人のいじめっ子が苦しみ出した。さっきまで下着姿だったのに何故か制服を着ています。そして失神した。
すかさず魔法陣に飛び込んで念じると、セクンダディは青白い刀身を現した。嶺子先生に近づくと激しく苦しんでますが、こちらも何故か服を着ているw。慎哉は風の呪文を唱えて防御壁を作り嶺子先生を救い出した。すると、魔法陣の磁場が歪み、魅砂はもがいてその場に倒れ込んだ。
「ゆるさん。貴様だけは絶対に許さん。」
魅砂はまだ正気に戻ってませんでした。
「貴様か、我が召還を邪魔した奴は」
声がすでにおっさん化してます。そしてその実体を遂に現した。召還に成功してしまったようだ。
手始めにいじめっ子二人が標的に。顔がドロドロに溶け出してます。藍はそれを見て失神。すると、藍の体が光りだしていきなり変身。
「慎哉、おもしろそーな野郎とやってるじゃねーか、俺も仲間に入れてくれよ」
性格も顔も全くの別人ですが、名前も遥に変わってます。深くは考えまいと決意していた画面の外の俺も口あんぐりな展開。遥は手から気功弾のようなものを出してルシファーに襲い掛かっている。しかし全く通じてません。それに対して俺は魅砂を説得する作戦に出る。しかし、これも失敗。
セクンダディは、自分を使って魅砂を斬れと言う。魅砂とルシファーを切り離せということらしい。慎哉が何やら呪文を唱え出した。
「我が前方にラファエル、我が後ろにガブリエル、我が右手にミカエル、我が左手にアウリエル、汝、血の契約により我に従え」
「承知、主との契約により我が力主の元へ」
慎哉はセクンダディを振り下ろした。しかし、一撃目は空振りに終わる。そこへ銃声が。俊英が助っ人に入った。そこでできた隙を見逃さず閃光一閃。
「きさまそれは・・・まさか・・・あいつらの力か?」
そう言い残してルシファーは消えた。あいつら?
正気に戻ったらしい魅砂だったが、魔法陣に戻ると短剣で自分の首をかき切った。自分の犯した恐ろしい罪にさえなまれての自刃だったようです。
「マ・リ・ア・チ・ャ・ン・ゴ・メ・ン・ネ」
それが魅砂の最後の言葉。ロ・ボ・ッ・ト・デ・ス・カ・?
おしまい
裏技
裏技は動画にもまとめてあります。
テキストの表示速度を変える
ゲーム中にRボタンを押し続けると、テキストの表示速度がスピードアップする。